横浜市といえば、華やかな都市景観が広がる「みなとみらい」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、横浜の持続可能な発展を考えたとき、湾岸エリアだけに頼るのではなく、市内の他地域にも注目することが必要なのでは…?
海のイメージの強いみなとみらいに対して、緑が豊かで歴史的資源や自然資源の多い瀬谷区。そんな横浜の西側に着目し、地域課題の解決に着手している有志のチームがあります。
シビックプライドってなに?
メンバーは横浜エリアに従事する自治体・各企業の有志のみなさんです。今回の活動の目的は「瀬谷の地域資源に対して住民がリアクションを起こせる場を作り、その結果をアウトプットして残すことがシビックプライドの向上につながるかどうかを検証したい」ということ。
「シビックプライド」とは地域や自治体に対する市民の誇りや愛着、地域社会に貢献する意識を指す言葉です。
郷土愛や地元愛とはニュアンスが異なり、まちを自分が責任をもってよくしていこうという思いや、自分自身が地域の構成員であると自覚し、さらにまちを良い場所にしていこうとする「意志」が含まれるのが特徴です。
シビックプライドの向上が、少子高齢化の改善だけにとどまらず定住者・移住者数の増加にも寄与すると言われています。
今回は瀬谷という地域にフォーカスして調査・地域愛着度の向上について検証するため、瀬谷なびがこの活動に全面的に協力させていただくことになりました。
「海」のみなとみらいに対して「緑」の多い瀬谷

瀬谷区といえば、2027年に開催予定の「GREEN×EXPO 2027」の会場となることが決定し、今後の発展が期待されるエリアです。チームのみなさんが調査を進めると、横浜市の「海のシンボル」であるみなとみらいに対し、瀬谷区は「緑のシンボル」としてのポテンシャルを秘めていることが分かりました。豊かな自然や歴史的資源に恵まれたこのエリア。実際に住んでいる地域のみなさんも、瀬谷の豊かな自然やのんびりとした雰囲気を気に入っている方が多いように感じます。
住民の愛着度が低下しているって本当?
一方で、調査を進める中で気になる点も浮かび上がりました。それは、瀬谷区に対する住民の愛着度がそれほど高くないのでは?ということです。実際に横浜市の各区で行われた愛着度に関する調査では、平成30年→令5年の結果で、愛着度を感じていると答えた人のパーセンテージが低下しているのです。
平成30年の瀬谷区民の瀬谷区に対する愛着度
・愛着を感じている :63.4
・愛着を感じていない: 8.5
令和5年の瀬谷区民の瀬谷区に対する愛着度
・愛着を感じている :56.6
・愛着を感じていない:15.7
瀬谷なび個人の感想としては「え、本当?」というのが第一印象です。瀬谷の人たちはみんな瀬谷が好きで、瀬谷区に対する地元の人の愛着度はかなり高い方だと感じていたからです。
「瀬谷区民の地域愛着度が低いって本当?」私たちはこの疑問を解明するため、瀬谷なびのインスタグラムアカウントにて、ストーリーズを活用した簡単な意識調査を実施しました。
「瀬谷の好きなところを教えて!」
瀬谷なびのフォロワーさんに対して「瀬谷の好きなところを教えて!」と質問を投げかけたところ、なんと約150件のご回答をいただきました。実際の回答結果をご紹介します。







いただいた回答から、多くの住民が瀬谷区の魅力を「ちょうどいい田舎」「都会から近くて自然が豊か」などと表現し、具体的なスポットよりも、全体的な環境の良さを評価している方が多いことが分かりました。
瀬谷の魅力を可視化するために
この結果を受け「瀬谷の魅力は一言では言い表せない。改めて言語化が難しい」ということを感じました。
今後は、地域への愛着形成につなげる取り組みとして、フォトコンテストの開催を検討しています。住民自身の視点で「瀬谷の好きな場所」を写真で表現し、それを共有することで、改めて地域の魅力を認識する機会を作れたら…と考えています。
このような活動を通じて、瀬谷区の魅力を可視化し、地域の価値を再発見することで、より多くの人が瀬谷に誇りを持ち、みんながもっと瀬谷を好きになっていけたらいいなという想いです。
今後の展開にもぜひご注目ください!